認知症の発生と頻度

日本における認知症の有病率は他の先進国とほぼ同率で、六五歳以上の人口のおよそ六%である。
厚生省の調査では、一九九五年現在、日本における認知症老人の数は一二六万人で、二○○○年には一五六万人、一一○一○年には一三六万人に達すると予測されている。現在の日本では、認知症老人の七○~八○%が在宅者である。
 

年齢別にみると、たとえば東京都における在宅の認知症有病率は、六○歳代では一%程度であるが、年齢が上がるに従って急増し、八○歳を超えると一○%程度、八五歳になると四人に一人が認知症となる。この数字をみて、年をとれば必ず認知症になると思うのは間違いで、八五歳になっても四人のうち三人までは認知症ではないということに留意すべきである。
 

一方、毎年どの年齢層からどのぐらいの頻度で認知症が発生するかという、年間認知症発生率は、やはり年齢が上がるに従って年間の発生率も上昇している。つまり、老人になれば必ず認知症になるわけではないけれども、年をとれば認知症になる危険性が高まるのである。

認知症には多くの疾患があるが、最も重要なものは、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症である。外国ではアルツハイマー型認知症が多く、日本では脳血管性認知症が多いとされていた。この違いは日本の統計の取り方が悪いのであって、日本でもアルツハイマー型認知症が多いはずであるという議論が一時期なされていた。しかし最近になり、くりかえし調査された結果、日本人ではアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の比率は三対四で、脳血管性認知症の方が少し多いという結果が出されている。
認知症になった人の予後についての報告はさまざまで一定しないが、七○歳以上の高齢で認知症を発症した場合の余命は、およそ三~五年だろうと考えられている。

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