意識障害、通過症候群は認知症ではない

認知症と間違えやすいものに、意識障害と通過症候群がある。認知症の定義には「意識障害がない」ということが条件とされている。しかし、たとえば老人では、脳の循環障害や発熱、大怪我、手術、全身麻酔、あるいは抗精神病薬や睡眠薬の過剰投与などによって意識障害が起こりやすく、そのために少しボーッとしておかしなことを
いった叉 ものが覚えられなくなったりする。これを認知症と見誤る危険がある。

認知症にくらべて意識障害は比較的急速に起こる。また、意識障害は原因となった薬を中止したり、怪我の程度が軽くなれば元に戻り、可逆性である。認知症では、同じような症状が一日中ずっと、あるいは毎日ずっと続くが、意識障害では数時間あるいは日の単位で、症状がよい場合とかなり悪い場合とがくりかえし現れ、症状が一定しないという特徴がある。

通過症候群は意識障害がないにもかかわらず見当識障害があり、軽い精神機能低下や抑うつ状態がある場合をいう。見当識障害とは、今日が何月何日で、いまどこに誰といるのかがわからないことである。多くの場合は、高齢者などで重い病気の後の回復期とか、手術を受けた後に完全に回復するまでの間にみられる状態である。

つまり認知症は症状が固定していて慢性の、ほぼ非可逆的な高度の知能障害であるのに対して、意識障害はちょうどカーテンのように、症状に動揺がみられ可逆性である。

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